黒い城

 

今までにも何度か話をしましたが、私が自転車の旅をはじめたきっかけに2003年のトルコ旅行がありました。

 

この旅の目的地は歴史の研究書でみかけた一枚の写真、トルコ東部の集落シェビンカラヒサルの城址だったのですが

・・・。

 

なんでもシェビンが明礬のことで、カラ=ヒサルで黒い城との事です。イスタンブールじゃ誰も知らなくてあっちこっちで聞いて回ってやっと辿りついたんですけど。

 

 

ちょっと研究で行き詰っていた頃だったので、いっぺん本物の風景をこの目でみてこようって事だったり。

 

日本人を見るのは初めて?との事で町の皆さんにもよくしていただき、たまたまギレスンで歴史教師をしているという方と知り合うこともできました。

 

 

城山からの風景。

(2003年7月31日撮影)

 

 

さびれた小道をとぼとぼ登り、道端で放し飼いにされた牛とにらみ合いをしながら城山の頂上にお散歩へ。

 

イスタンブル在住のお姉さんという方と3人で和気あいあいといった所なのですが、イスラムのお祈りを教わりながらえっちら登って小一時間。

 

 

高低差1000m近い途方もない峡谷の絶景はまるで「風の谷」といったありさまで、あーこれが本当の景色というものか、と感慨しきりだったりも。

 

その場の勢いで帰りがけにモスクで礼拝の仕方を教わることになったのですが、噂を聞きつけて近所の子供が集まってきたり。

 

 

その中にひとり、先天的に手足が曲がった障害の子を見つけたのですが・・・。

 

小さな街並みの中で何の屈託もなく笑っている姿を見ていたら、探していた何かを見つけた気がして危なく泣きそうになった覚えがあります。

 

(06/01/25)

 

 

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