隠れた長さ

 

自転車でツーリングをする、となるとまず目安になるのは何キロ走ったか、という事になるかと思います。

 

旅となったらスピードは余り眼中にないので、あとは標高差が何メートル(人によっては標高和)位かと。人とあれこれ比較するのも楽しいので励みにもなるわけで。

 

 

もっとも直線的にすらっと走って帰りは輪行、というのと往復自走では「遠くに行った度合」にすると2倍の違いになりますし、ぐるっと丸く走れば3倍になることに・・・。

 

同じ距離を走っていても、まっすぐ走ると達成感があって回りからも褒められる、っていうのには半ば奇妙なこそばゆさを感じてしまいます(笑

 

 

岩倉温泉郷の入り口にて

(2007年3月4日撮影)

 

 

そうして考えてみると、グニャグニャと路地裏を探索しながら走っていたら、まん丸に走るよりもなおさら到達点は近所になってくる道理なんですが・・・。

 

結局長さにしてみたら変らないわけですし、それがツーリングの本分でもあるのでここには不思議な認識のズレがたしかにあるわけです。

 

 

旅ってものをよくよく考えてみると、そもそも距離って何なんだろうという事にもなってきます。いったいペダルを漕いだ量で旅の値段を決めてよいのやら。

 

ある時ふと立ち止まって回りの景色の中に心を泳がせたり、土地の匂いに誘われてのんびり小道を訪ねてみたり。そんな心の動きが本当の旅の距離なのかも。

 

だからといって走った距離が短いからいいだとか、長かったり真直ぐだから中身がないなんてのも変ですけど(笑

 

(07/03/15)

 

 

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